野田首相に皇室の大事を論じる資格はない

 野田首相が一昨日(17日)のインタビューで、「女性宮家」創設問題で皇室典範改正の素案を早期にまとめる考えを示したが、首相の言葉づかいには皇室への敬意が感じられず、ゴマカシだけが目立つ。以下、そのままの発言を産経ウエブ版から引用する。

 「あの、いわゆる男系、女系の議論……なかなかこれは小泉内閣のときにもチャレンジしましたけれども、そう簡単ではないですね」

 「一方で、……現状をこのまま放置しておくと、おそらく悠仁親王のころにはおそばにあまりいらっしゃらなくなってしまうんですね。皇室の方が」

 「やっぱり皇室の活動を安定的なものにしていくということ、それから天皇皇后両陛下の公務のご負担を減らしていくというときに、私はやっぱり一定のスピード感をもって、……この問題に早く結論を出すということは一定の緊急性があるというテーマだと思っています」

 「……女性宮家の創設に限って議論をしていく。旧皇族をどうするかとか。いろんな論点は出てくるかもしれませんが、……これは実務的に進めていきたいと思います」

 「チャレンジしました」「スピード感をもって」「旧皇族をどうするかとか」「実務的に進めていきたい」という言葉からは、皇室の重大事について語っているという緊迫感は感じられない。

 そればかりか、この発言には明らかなゴマカシがある。両陛下の「公務のご負担」軽減は必要だが、それには先ずどの「公務」を軽減対象とするのかを整理するかが先決であり、「ご負担軽減」と「女性宮家」創設の「緊急性」とは結びつかないからである。

 また、「悠仁親王のころには(皇族が)おそばにあまりいらっしゃらなくなってしまう」と言うが、それはまさに皇位継承の安定性に関わる重大問題である。その肝心な問題を避けて、安定した皇位継承の上で展開される「皇室活動」にだけ目を向けて「実務的に」結論を出すというのだから、これは本末転倒である。

 こんなゴマカシの「女性宮家」創設の狙いは「女系天皇」容認への布石と見る他ない。野田首相に皇室の大事を論じる資格はない。

(日本政策研究センター メール・ネットワーク 平成24年1月19日付)