まだまだ止まない「ジェンダー・フリー教育」

まだまだ止まない「ジェンダー・フリー教育」

まだまだ生ぬるい文科省の対応


 

 教育現場にジェンダー・フリーの考え方が浸透する中で、男女同室宿泊や男女混合騎馬戦などの常軌を逸した「男女混ぜこぜ教育」の事例がしばしば報告されてきた。こうした事例について、政府の第二次男女共同参画基本計画は「極めて非常識」と批判しているが、こうしたとんでもない事例が全国の教育現場に未だ横行していることが、最近の文部科学省の調査によって判明した。

 問題の調査は、文科省が遅蒔きながら初めて実施した「男女の扱い等に関する調査」と称するもので、さる六月三十日、調査結果が公表された。その概要はすでに4大紙でも報じられたが、産経新聞以外は分量も小さく、事の重大性を敢えて無視するような内容でもあった。そこで、改めてこの調査結果を取り上げ、注意を促したい。

 まずは、この調査結果の中から、小学校高学年に関するデータの一部を掲げてみよう。

・林間学校や修学旅行などでの男女同室宿泊……5年生で236校、6年生で81校
・男女混合騎馬戦……5年生で727校、6年生で729校
・体育時の男女同室の着替え……5年生で1678校、6年生で1346校

 文科省の調査にして、こんな驚くべき数字が現れたのだ。教育現場の実態はもっと深刻であることは想像に難くない。ともあれ、こうした結果は、政府が「極めて非常識」と批判した事例がけっして例外的な事例ではなかったことを示しているといえる。

 さらに注目すべきは、かかる「男女混ぜこぜ教育」が推進されている理由だ。男女同室宿泊の理由には、「確保できる部屋が限られる」といった理由のほかに、「仲間と協力する、友だちと仲良くする、男女の協力、という行事のねらいから」との明確な意図を挙げている学校がある。また男女混合騎馬戦の理由には、「男女協力・男女平等の意識を育てるため」との理由が挙げられている。つまり、「男女協力」や「男女平等」という明確な意図の下、男女の区別や羞恥心を失わしめる「男女混ぜこぜ教育」――すなわち事実上のジェンダー・フリー教育が多くの教育現場で実施されているということである。

 一方、この調査は、児童の名前を呼ぶときの「さん」付けでの呼称統一が、5年生で5868校、6年生で5785校にも上ることを示している(小学校全体の約26%に相当)。男女混合名簿の普及と相俟って、こうした「導入」的な男女の枠組みを外す試みの広がりが、実は男女同室宿泊、男女混合騎馬戦、男女同室着替えなどの「極めて非常識」な事例の下地を用意していると見るべきであろう。その意味で、問題の根はきわめて深いのだ。

 今回の調査結果を受けて、文科省は全国の教育委員会に対して、「心身の発達段階を踏まえて適切に対応するように」との通知を出したというが、それだけでは不十分である。今後とも各教委に対するこの問題での指導を是非ともつづけてほしい。そもそも一片の通知で解決できるような生易しい問題ではあるまい。

 より抜本的な対策が必要なことは明らかであり、そのためにも教育現場及び文科省に対する住民・保護者サイドのなお一層の厳しい監視の目が求められていることを訴えたい。非常識な「男女混ぜこぜ教育」は非常識な人間を大量生産する恐れがあり、その犠牲となるのは子供たち自身とともに社会全体なのである。