中国人に埋められ行く日本社会②

中国人に埋められ行く日本社会②

日本が「日本人の国」でなくなってよいのか?


 

◆最先端技術が日本の大学から中国へ?

 都心ではコンビニや飲食店に行くと出てくるのはアルバイトの中国人、というのが日常化している。留学生が少なくないらしいが、最近、理系の大学から軍事転用可能な最先端技術が中国へ流出しそうになったという事件が相次いで発覚し、公安関係者が中国人留学生の動向に目を光らせているという話がある。

 ジャーナリストの西村竜郎氏が、『フォーサイト』一月号にこう書いている。

《「北京航空航天大学」―。二〇〇八年初め、中国から日本政府に届いた先端技術関連の国際共同研究の提案文書を見たある安全保障問題の専門家の目は、文書の中に何度も出てくる大学の名に釘付けになった。文書には約百件もの共同研究候補のリストがつけられており、それぞれの研究項目には担当の大学・研究機関の名称も記載されていた。中でも中国が軍民一体で進めるロケット・ミサイル開発の一大拠点である北京航空航天大学は、実に七回も登場する突出ぶりだった。リストの存在を偶然知ったこの専門家は、中国があまりにも堂々と日本の技術を「共同研究」という名目で吸収し軍事利用しようとしているのに愕然とした。ただ、その専門家がもっと呆れたのは、関係者によるチェックが働かなければ、提案文書にあった日中共同研究がそのまま実現していたという危うい現実だった。》

 一方、産経新聞の湯浅博東京特派員は、二〇〇八年七月十九日付産経記事でこう書いている。

《手元に、「レーザー核融合」などに関する研究シンポジウムの英文資料がある。今月9日までの3日間、和歌山県・南紀白浜のリゾートホテルで、日本と中国の研究者が集中討議するための会議資料だ。実は、この小さな学術会議に、なんと米情報機関が強い関心を示していたのである。
レーザー技術はその95%が軍事技術として転用可能で、使い方によってはきわめて物騒なシロモノだからだ。驚いたことに、それを日本有数のレーザー研究者12人と中国のレーザー専門家7人が報告書を交換して議論をすることになっていた。
安全保障の専門家は「中国に報告書を渡すとは非常識だ。レーザー核融合に関する技術の流出になる」と警戒する。
受け入れ側の大阪大学レーザーエネルギー学研究センターに確認すると、会議は11月に延期されていた。参加予定だった中国側の中心的な研究者4人が、あの四川大地震の震源地に近い四川省綿陽市のレーザー核融合研究所に所属しているからだという。》

 

◆日本の理系大学は安全保障の「抜け穴」

 下手をすれば、中国の核兵器開発に「寄与」することになっていたわけだが、なぜ日本の大学はこんなに脇が甘いのか。西村氏は同じく最先端技術を扱う日本企業を引き合いにこう説明する。

《企業が自社の製品や技術を中国や北朝鮮、イランといった「懸念国」に渡して大量破壊兵器などの開発・生産に利用される事態を未然に防ぐ「安全保障貿易管理」という分野がある。兵器やその材料、関連技術などが懸念国に流出すれば、国際的な軍事バランスを危険な方向に崩しかねない。このため、国際社会は、核や化学兵器、ミサイルなどさまざまな分野で流出防止策を取り決めている。企業がこれを破れば、内外から多大な制裁措置を受ける。》

 かつての東芝機械ココム違反事件や、最近のデンソー、ヤマハ発動機の事件などがそれで、ゆえに大企業は社内に専門部署を設けるなど自衛策を講じている。

《これに対し、企業と同様に軍民両用技術を扱っている理系の大学や官民の研究機関の場合、情報流出対策は大企業に比べ大幅に出遅れており、日本全体でみると巨大な「抜け穴」になっている。》

 一応、二〇〇五年四月以来、経産省が文科省に協力する形で大学・研究機関の情報流出管理の問題に乗り出しているが、安保関連情報の管理を担う常設組織を設けているのは、中央大学と九州工業大学の二校だけだという。

 

◆中国人留学生の増加とその影響

 外国人登録者の統計によれば、日本在留の中国人は平成十八年末で約五十六万人。平成十年と比べてぼぼ倍増。急増の原因の一つが中国人留学生の増加で、現在八万八千人にのぼる。その背景には、少子化で経営に苦労する日本の大学がその穴埋めに留学生を呼び込むという事情がある。

 むろん中国人留学生の多くはマジメに勉強しているが、平成十三年に摘発された酒田短大や平成十六年に立ち入り検査を受けた城西国際大のように、不法就労や不法残留の温床ともなっているし、中国人留学生による凶悪犯罪や長野の聖火リレーでの統一行動など、治安上の懸念もある。

 そうした中での技術流出事件。政府は「留学生三十万人計画」を進めているけれども、こうした問題にどれだけ注意が払われているのか心配だ。

〈初出・『明日への選択』平成21年2月号〉