永住外国人参政権問題・フィクションで「主権」を論じるな

永住外国人参政権問題

フィクションで「主権」を論じるな

「在日」にまつわるフィクションに絡め取られて、「地方自治体の選挙権くらいはいいのではないか」という「空気」が醸し出されているのではあるまいか。


 

 永住外国人に地方自治体の首長や議員の選挙権を付与する、いわゆる永住外国人参政権問題では、かねてから納税などを根拠とした参政権要求には根拠がないこと、参政権推進派が主張する「強制連行」や戦後の「国籍剥奪」は事実に反すること、さらには憲法の大原則である国民主権を侵害することなど、様々な反論がなされてきた。

 しかし一方では、自民党から共産党まですべての政党が、昨年秋の民団(在日本大韓民国民団)主催の参政権要求集会に代表を出席させてその実現を誓うなど、参政権付与への「空気」が出来始めているというのもまた現実ではある。

 まっとうな反対論が政治の主流に反映されていないというのはなんとも残念ではあるが、しかし、永住外国人参政権云々という以前に、その前提となる外国人と国民との区別や「在日」を巡る様々な問題に関する事実そのものが知られていないのではあるまいか。例えば、現在の在日韓国・朝鮮人は「特殊な歴史的経緯」によって日本に在留するに至り、しかも六十年以上在住しながら、未だに不安定な地位に置かれていると考えている日本人も多い。しかし、これは明らかにフィクションである。そうしたフィクションに絡め取られて、「地方自治体の選挙権くらいはいいのではないか」という「空気」が醸し出されているのではないか、と思えてならないからである。

 しかし、ことは国民主権の根幹、つまりは日本国家のあり方の根本問題に関わる。フィクションのうえに作られた「空気」で決められてはたまらない。そうしたフィクションの迷妄を解く意味でも、個別の反対論というより、ここでは参政権問題の前提ともいうべき三つの基本的事実を押さえておきたい(なお、個別の反論については小誌前号を参照願いたい)。

 なお、最近の選挙権付与の対象は「永住外国人」とされているが、ここではこの参政権を一貫して主張してきたのが唯一「民団」(在日本大韓民国民団)に限られていることから、いわゆる「在日」に限定して議論することとしたい。

【本論文の主な内容】
・これ以上はない確固たる地位
・日本国籍を拒絶した人たち
・三十年後にはゼロになる韓国・朝鮮籍

〈『明日への選択』平成20年1月号〉