「環境と食糧」で農業・林業が変わる

「環境と食糧」で農業・林業が変わる

森林の保全、林業の生き残り、コメ作りの再生にとってまたとないチャンスが到来している。


 

 国際政治の潮流変化というものは早いもので、今や「環境と食糧」が二大焦点ということになっている。これはこれまでのグローバル経済論からの根本的な思考の転換を促すもので、それによりこれまでお荷物扱いされてきたわが国の地方経済や一次産業に突如考えてもみなかった光が当てられることにもなっている。

 「環境と食糧」が優先課題ということになれば、膨大な資源・エネルギー消費、グローバルな巨大生産・流通システムという発想の下に成り立ってきた環境負荷コストの高い経済は、逆に見直しの対象となり、むしろ脱炭素だの、食糧自給だの、地産地消だのといった新たな思考に注目が集まることにもなるからだ。「グローバル化」だの「市場経済」だの「効率」だのというお経をただ唱えていれば経済を語ったことになった時代は終わり、いまやそうした考え方にむしろ正面から疑問を呈し、その修正を迫って行く新たな発想が求められ始めているのである。

 さて、こうした潮流の中、本稿ではかかる動きの中でもとりわけ注目度の高いわが国の林業と農業に対象を絞り、そこではいま何が問題となり、何がなされようとしているのかを論じてみたい。わが国の「環境と食糧」を考えて行くに当たり、この二つにとりわけ各方面の関心が集まり始めていることはいうまでもないが、同時にこの二つはわが国の国土形成と国民の暮らしにおいて無視することの許されぬ最重要の「基盤」でもある。

 とすれば、冒頭に述べた最近の世界の流れは、こうしたわが国の林業や農業に今後どんな問題を提起し、それをどのように変えて行こうとしているのか。のみならず、それはわが国の国づくり・国民生活のあり方をもまた、どのように変えて行くことになるのか――。最近のこの分野における動きを筆者なりにフォローしつつ、論じてみたい。(日本政策研究センター代表  伊藤哲夫)

〈『明日への選択』平成20年7月号より抜粋〉

【本稿の主な内容】

・林業に吹くまたとない追い風

・国産材使用の戦略

・水田を再評価・フル活用せよ

(続きは、『明日への選択』平成20年7月号で読めます)