危険な「ジャパン・ディスカウント」

危険な「ジャパン・ディスカウント」

今、韓国が官民あげて展開している慰安婦問題の対外宣伝は単なる日本の歴史認識への批判ではなく、日本の地位をおとしめる「ジャパン・ディスカウント」運動である。


 

 歴史認識問題を巡る韓国の日本批判が止まらない。朴槿恵大統領が各国を訪問する度に「誤った歴史認識を正せ」と「告げ口」外交を展開していることはよく知られているが、三年前から地方都市において慰安婦の碑や像の設置が始まったアメリカでは、今年に入ってからもバージニア州議会が学校教育において日本海と「東海」を併記する決議を採択するなど、韓国のロビー活動が続いている。

 また、フランスでは、一月に国際漫画フェスティバルに韓国人団体が慰安婦関連の漫画や動画を出品し、韓国女性家族部の長官(閣僚)も現地入りするなど慰安婦問題の広報に力を入れている。このフェスティバルでは、日本の民間団体が韓国側の一方的な展示に反対する展示を企画したところ、フェスティバル事務局から展示を撤去されるという事件も起こった。

 これ以外にも、韓国紙には「慰安婦証言をキムチに続く世界無形遺産に」とか、「慰安婦の日」を設けるなどといった報道も登場している。

 むろん、こうした韓国の日本批判は根拠がなく、事実でもない。米国の慰安婦碑には「二十万人の性奴隷」などと書かれているが、小誌でこれまで取り上げてきたように、「二十万人」も「性奴隷」もまったく事実ではない。「東海」問題にしても、韓国外交部は「二千年前から東海を使用しており、日本海という呼称は日本帝国主義・植民地主義の残滓」などと主張しているが、日本海という呼称は十九世紀には既に欧米で常識だったというのが歴史的事実であり、今でも国連や米国をはじめとする世界の主要国はみな日本海単独の呼称を採用している。

 このように韓国側の主張は根拠のない不当なものだが、海外ではそうした主張が堂々と横行している。一方、日本の主張は正当性を持っているにもかかわらず、ほとんど海外で取り上げられることがない。そこで、外務省はロビー活動をしているのか、もっと海外広報に力を入れよ等々、日本の国際的な情報発信の非力さを嘆き、海外広報の強化が叫ばれてもいる。

 確かに、歴史問題を巡る日本の対外発信は、韓国と比較すれば、ほとんどなきに等しいと言える。とは言え、海外広報予算を増やせば済むという問題でもない。日本の対外発信の立て直しは、政府だけでなく民間の課題でもある。まず、ここでは、そのための前提として、韓国はいかなる戦略を持ち、どんな体制を組み、何をめざしているのかといった、彼らの海外向け宣伝戦略(というより対外プロパガンダと言うべきだろう)の現状を慰安婦問題を中心として検証することとしたい。(日本政策研究センター所長 岡田邦宏)

〈『明日への選択』平成26年3月号より抜粋〉

【本論文の主な内容】

・米国に浸透する「二十万性奴隷」のウソ

・政府系財団が「国際世論工作の拠点」

・「日本の閉め出し」を狙うVANK

・官民一体の「ジャパン・ディスカウント」

・プロパガンダとは戦うしかない

(続きは、『明日への選択』平成26年3月号で読めます)