渋谷区・同性カップルに「結婚相当」を認める証明?

 東京都渋谷区が、同性愛のカップルに対して、「結婚に相当する関係」を認める証明書(パートナーシップ証明)を発行するための条例案を三月議会に提出する方針を決めた。

 対象は区内に住む二十歳以上のカップルで、互いを後見人とする公正証書の提出などが条件となる。朝日新聞は「性的少数者は歓迎し、全国的な広がりにも期待する」(二月十三日)と報じているが、言うまでもなくわが国は憲法上、結婚を男女に限っており、こうした証明書は前例がない。

 報道を総合すると、条例案は、区民や区内の事業者に対し、証明書を持つ同性カップルを夫婦と同等に扱うよう求めている。アパートへの入居や入院したパートナーへの面会を「家族でない」として断られたとき、この証明書を使って夫婦と同等に扱うよう求めることができる。証明書に法的拘束力はないが、条例の趣旨に反する行為があれば、事業者名を公表する規定も盛り込まれるとされる。

 区は「条例は同性婚を認める制度ではない」としている。だが、いったん制度が出来れば拡大される恐れがある。実際、「同性カップルを地方自治体が認めることは、同性婚を認める法律制定へ繋がるのではないか」との識者の指摘もある。他の自治体でもこれに追随する動きがすでに出ている。条例案は、夫婦に基礎を置く現行の家族制度を崩す恐れがあり、憲法違反の疑いもあると言える。

 そもそも夫婦が法的に保護されているのは、将来の社会を担う次世代を産み育てるなど社会と国家の存続を支える基盤だからである。条例案を推進した区議はダイバーシティー(多様性)を強調しているが、多様性の尊重が社会の基盤である家族制度を壊すことになれば元も子もない。

 事の重大性を踏まえ、渋谷区議会には賢明な判断を下すことを期待したい。

 

〈『明日への選択』平成27年3月号より抜粋〉