美しい国再生への提言

美しい国再生への提言
地方経済・農林業の「グリーン化」が日本を救う

著者:伊藤哲夫

定価:500 円+税

衰退一途の地方経済、崩壊寸前の農林業。いかに表面的に繁栄したとしても、美しい山河・田園が崩れ、地方がさびれる中で、この国は本当に豊かと言えるのか? またそれらを放置してこの国の再生などあるのか? 「グリーン化」という願ってもない世界的な「追い風」が吹き始めるなか、このチャンスを「起死回生の転機」となすべく、「美しい国・日本」の再生へ向けた「新たな国づくり」を構想する。地方経済と農林業の再生なくして、日本の再生はない。(A5判72頁)

 

 

【はしがき】

この一年、筆者は地方経済と農林業の現状に関し、素人の立場をも顧みず小論を書き続けてきた。ここに掲載した六篇は、そうした試みの中の一部である。

この間、世界経済は大きく揺れ動いた。前半は食糧価格の高騰と食糧不足が最大の焦点であったが、九月のリーマン・ショック以後は、百年に一度といわれる金融・経済危機への国際連携をも含めた各国の対応が専らの関心事となった。全てが筆者にとって興味深く、かつ真剣な考察の対象であったが、ただその中で一貫して考え続けたのは、これがわが国の地方経済と農林業にとって、今後どのような意味をもつことになるか、ということであった。

 

なぜ地方経済と農林業であったか?

エコノミストたちは過度の「外需依存」という日本経済の歪みをこの際正し、「内需主導」型に転換すべきだと主張していたし、危機脱却には大胆な財政出動が必要だが、その対象は雇用や福祉、医療等であると同時に、環境とか農業といったこれからの「新たな需要」に関わりのある部門が効果的だと説いていた。とすれば、世界的な食料問題も加え、それは地方経済や農林業にとっては願ってもないチャンスの到来であるはず、と考えたのだ。これまでどちらかといえば脇に追いやられていた分野に、ようやく世間の正当な注目が向けられ始めたわけだ。

むろん、そうはいっても、具体的な政策論となると、実は必ずしも共感する提案に出会うことがなかったのも事実であった。エコノミストはマクロの経済は論じても地方経済には関心はもたず、地方経済の専門家は細かな地方経済の現状は論じても、必ずしも環境問題や農林業の現状や課題には通じず、それを総合的に捉え、あるべき理念(=めざすべき国家像)も含めて将来を論ずるといった種類のものは、ほとんどないのが現実であったからだ。

ならば身の程もわきまえず、筆者なりの提案を――と相なったのが、ここに掲載した一連の小論である。素人のにわか勉強という事実はいかんともしがたいが、衰退一途の地方経済を何とかしたい、崩壊寸前の日本の農林業をこのまま捨ててはおけない、との止むに止まれぬ思い余っての提案だったという事情は、ご理解いただきたい。

いずれにしても、地方経済と農林業が今かつてない危機にあることは事実だとしても、一方本書でも度々指摘したごとく、世界の「グリーン化」という願ってもない「追い風」が吹き始めていることもまた事実であろう。とすれば、このチャンスを「起死回生の転機」となすべく、今こそ関係者の総力を結集して改革と新規事業にチャレンジしていくべきではないか。

その意味で、本書をとりわけ政治・行政関係者、また地域再生に取り組んでおられる方々、あるいは山村や農業の現状に関心と憂慮をもっておられる方々にご一読願いたい。この国がいかに表面的に繁栄しても、美しい山河・田園が崩れ、地方がさびれる中で、この国の本当の豊かさはないし、国の再生もまたないはず、と筆者は確信するからだ。

※書店ではお求めになれません。当オンラインショップにてお申し込み下さい。

 

【目 次】

はしがき

1 地方再生戦略の可能性を探る

2 地方経済活性化のカギは「環境」にある

3 「環境と食糧」で農業・林業が変わる

4 農・林業の「六次産業化」をめざせ

5 「都市から地方へ」本格的な政策転換を

6 「美しい国・日本」創造プランを提唱する

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